深田 上 免田 岡原 須恵

ヨケマン談義11.昔懐かしふるさとの味

11-17.いきなりダゴ

 「いきなりダゴ」を昔懐かしふるさとの味とされた方もかなり多かった。関西会の増田さんからは、「・・子供の頃わが家では、おやつによく食べた記憶があります。母親が作っていたのか、父の姉が作っていたのか覚えないが、とても美味しかった記憶あります。作り方は、輪切りにしたサツマ芋を小麦粉で包み、蒸かしたもので、最近はお店で販売しています。」というお便りである。

 販売している?早速調べてみると、Wikipediaに「・・いきなり団子は、小豆の餡(あん)とさつまいもを練った小麦粉の生地でくるみ、蒸して作る熊本の伝統的な郷土菓子。地元の言葉では「いきなりだご」とも呼ばれる。サツマイモがゴロンと入るために甘さ控えめで素朴な味わいの菓子で、餡があれば短時間でささっと「いきなり」作ることが出来ることから、その名前がついたと言われている(名前の由来には諸説あり)。
一般家庭で普通に作られるほか、熊本市内の和菓子店でも様々な味や形のものを売っている。「もっちり、ほっこりとしていて、かつ甘すぎないので、気がつくと幾つも平らげてしまうようなそんな和菓子だ」とあった。
また、九州自動車道の山江SAでは、カライモの代わりにクリが入った「いきなりダゴ」である「くりまんじゅう」や芋とあんこが入った「びっくり団子」が売られていることも分かった。この食べ物を筆者は再現してみることにした。

ダゴ① ダゴ② ダゴ③
図1.いきなりダゴ、筆者の試作品、右端は「いきなり餅ダゴ」

 その作り方であるが、材料の主役は図1左に示すカライモである。脇役が小麦粉である。
小麦粉で生地をつくり、カライモの皮をむき、それを蒸かすか煮て、厚さ5センチぐらいの輪切りにする。脇役の小麦粉に水を加えてダゴ生地をつくる。ふっくら感を出すためにはドライイースト(酵母)を1%ほど加えるが、昔から「ダゴ」という場合は、酵母や膨らし子粉(ベーキングパウダー)などはめったに使わなかった。若い人のためには、これらを使い、カライモだけでは足らない甘味を加糖する方がいいかも知れない。

 ただ今回の試作では、昔のダゴ生地で蒸しカライモの輪切り片をダゴ生地で包み蒸した。その出来上がりが図1の中央である。名付けて「いきなり唐芋ダゴ」である。右端は、筆者が昨年暮れに餅つきをしたとき、餡子の代わりにカライモを包んだ「いきなり餅ダゴ」である。

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